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2009.04.15

転倒事故は何故起きたのか

昨日起きた大型杭打ち機の転倒事故の全貌が次第に明らかになりつつある。
ウエブ上で公開されているいくつかの情報を整理すると以下の通りである。

 ・元請会社:東亜建設工業
 ・工事内容:ビル新築のための基礎工事
 ・杭施工法:アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭(想像)
 ・最大荷重:クレーンの吊り上げ最大荷重は13トン
 ・転倒時作業状況:施工機械は約20m離れた完成孔と新設孔予定点の中間に位置。
 ・転倒時作業状況:完成した隣の孔からクレーンでケーシング(口元管?)を引き抜く際に転倒
 ・被害者:機械の操縦者を含め6名が重軽傷(1名は重態)

場所打ちコンクリート杭とは、アースドリルなどの掘削器具を使って、予め決められていた支持層深度まで必要な径の孔を穿ち、その孔の中に鉄筋かごを挿入した後、生コンを投入して、現場で鉄筋コンクリート杭を打設するものである。支持層の深いところではごく普通に行われている方法である。
削孔の際、孔壁の安定のためにベントナイトなどの粘土鉱物が使われた泥水を孔内に満たすことが普通であるが、地面に近い浅い部分では重機械の振動などで不安定になり易いので、一般に数m程度はケーシングが挿入されることが多い。
今回の転倒事故は、これから削孔しようとする地点にまず深さ7m程度まで孔を穿ち、この孔にケーシングを挿入するべく、既に削孔が終わっていた隣の孔からケーシングを引き抜く際に起きたもののようである。

さて、何故事故が起きたのか?
ケーシングは長さが7mらしいが、この程度で最大吊り上げ荷重13トンのクレーンが持て余すほどの質量があるとは思えない。

孔中に挿入されたケーシングを引き抜くためには、ケーシング自身の質量のほかに、周囲の地盤からの摩擦力に打ち勝つ力が必要である。更に、ケーシング周りの地盤がゆるい砂層である場合には、振動などによってケーシングが砂に締め付けられるような、“チュービング”と呼ばれる現象が起き易い。もしこの現象が起きていれば、ちょっとやそっとの力では引き抜けないと思われる。
今後このような事故が起きることを防ぐためにも、十分に検討を加えて、事故原因をしっかり解明しておくことが大切である。

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